産業カウンセラーの先輩が見せてくださったスクラップブックの中に10年前のA新聞”待ったなし、職場のメンタルヘルスケア”と、大きな見出しがありました。

現在はどうでしょうか。
Googleの検索に”待ったなし メンタルヘルス”を入れてみると約29,200件がヒットしました。
・待ったなし! メンタルヘルスの義務化
・待ったなし”のメンタルヘルス対策の切り札
・メンタルヘルス対策は待ったなしの状況
など。

10年前の待ったなし。は、いったい何だったのでしょうか。そうしているうちに、この10年で精神障害の労災認定件数は約5倍に。100件(H14)→475件(H24年)になっています。

この10年はどんなメンタルヘルス対策をやってきたのでしょうか。

あくまでもひとつの側面ですが、相談室の設置、勤務時間管理、管理監督者への教育研修・情報提供など、産業保健スタッフや人事勤労スタッフはそれぞれの役割でメンタルヘルス対策をやられているように思います。

一方で、メンタルヘルス対策が遅れているのは、事業部のように思います。過剰なストレスが多い事業部が主体的にメンタルヘルス対策に取組まないと10年後も”待ったなし、職場のメンタルヘルスケア”の見出しが残っているかもしれません。

具体的には、従来の「管理監督者への教育研修・情報提供」のようなメンタルヘルス対策の一般的な知識をスタッフから事業部に提供するものではなく、

「ストレッサーの認知、感情、行動を変える教育研修」のような組織の内部がわかっている事業部だからこそできる、現場に踏み込んだ実践的な教育研修が、事業部のメンタルヘルス対策(職場環境改善)には必要だと思います。

株式会社ストレスマネジメント実践研究所 北尾一郎
<うつ病のない日本の職場を目指して、プロジェクトの職場環境改善に貢献します>