ストレスチェックの集団分析に使われる4つのストレス要因の1つに”仕事のコントロール”があります。(他の3つは、仕事の量的負荷、上司の支援、同僚の支援)”仕事のコントロール”が少ないと、メンタルヘルスのリスクが高い職場だと評価され職場環境改善へと繋がります。

確かに、実行レベルの業務を上司から細かく指示、管理されるよりは、ストレスチェックの項目にあるように「職場の仕事の方針に自分の意見を反映できたり、自分のペースで仕事ができたり」するほうが気持よく仕事ができてストレスも少ないです。

ストレス低減、また業務効率の面からも、業務上司が部下に仕事をコントロールさせる。部下が自らの仕事をコントロールする。このような健全な職場環境にするにはどうしたらよいでしょうか。

お薦めは、ドラッカーの”目標による管理”です。”Management by Objectives and Self control”は、人が人を管理する目標管理とは異なります。トップダウンで与えられた目標ではなく、部下と上司で十分話し合い、納得しあって目標を設定します。その目標を部下自らが管理することです。

まず、プロジェクトマネジャー自身がステークホルダ(上司、スポンサー、など)と十分話し合い、納得しあって目標を設定します。その目標をプロジェクトマネジャー自身が管理します。(この後のステークホルダは、暇に任せて過剰な管理をしない)

次に、プロジェクトマネジャー(以下、マネジャー)とプロジェクトメンバー(以下、メンバー)が十分話し合い、納得しあって目標を設定します。その目標を各メンバーが管理をします。

現場の一例としては、メンバーの一人ひとりが毎月日程表(縦軸はタスク、横軸は一日単位1ヶ月のフォーマットにその月の業務内容と計画、その計画を達成するのに必要な残業時間、休暇予定)を作成して、月初めにその毎月日程表をマネジャーとメンバーが納得するまで十分話し合って目標を設定する。その後は各メンバーが”目標による管理”をする。もし、実行途中に目標と実績のギャップなど問題が見えた場合は、メンバーがトリガーになってマネジャーとの話し合いを持ち新たな目標を設定する。なお、月初めのマネジャーとメンバーの話し合いは、今月の目標設定だけでなく、前月の目標に実績も足された毎月日程表をマネジャーとマネジャーが確認する。というものです。

ドラッカーの”目標による管理”を、それぞれの職場にあった形で試してみてはどうでしょうか。

株式会社ストレスマネジメント実践研究所 北尾一郎
<うつ病のない日本の職場を目指して、プロジェクトの職場環境改善に貢献します>