米国労働安全衛生研究所(NIOSH)が作成した職業性ストレスモデルは、職場のメンタルヘルス研修(特にラインケア研修)の定番です。

職場ストレッサーからストレス反応、それが進んで疾病となるまでに、職場ストレッサー以外の3つの要因がプラスあるいはマイナスに働くというものです。

3つの要因とは、個人的要因、緩衝要因、仕事以外の要因です。これらの要因のなかで、管理職が積極的に取組める要因は緩衝要因です。管理職は上司の支援などしっかりと緩衝要因をしましょう。というストーリーです。

確かに、上司の支援は大切でストレスチェック集団分析の総合健康リスクを評価する4つの項目のひとつなっています。(他には、同僚の支援、仕事のコントロール、仕事の量的負担です)

管理職には、緩衝要因以外にも大切な役割があります。それは、「職場ストレッサーを適正化すること」です。

しかしながら、職場のメンタルヘルス研修では「職場ストレッサーを適正化すること」は、詳しく扱われいないように思います。

それでも最近では、ストレスチェックの集団分析に基づく仕事のコントロールや仕事の量的負担に関する現状把握、職場環境改善のためのヒント集、メンタルヘルスを目的とした職場活性化のためのヒント集などの取り組みがあります。このような取組みも、いくらかの効果はあると思います。しかし、どれだけの効果があるのかは疑問が残ります。

管理職が「職場ストレッサーを適正化すること」を主体的に取組むときは、メンタルヘルス観点ではなく、現場のマネジメント観点が良いかもしれませんね。

株式会社ストレスマネジメント実践研究所 北尾一郎
(PMP:Project Management Professional、
 産業カウンセラー、国家資格キャリアコンサルタント)

『PSMソリューションのチームマネジメントにより、うつ病のない職場づくりに貢献いたします』

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