心がつらくなった時におこなう心理療法には、さまざまな種類がありますが、そのなかでも認知行動療法は、世界的にもっとも注目され、広くとり入られている治療法です。認知行動療法は、認知と行動を変えることで、つらい感情を軽減する心理療法です。

職場では、治療を必要としないまでも、つらい感情になることはよくあります。その時に、認知行動療法の考え方と手法を用いて、自分でつらい感情を軽減できるといいですよね。

同じ出来事に遭遇しても、それほど気にしない人もいれば、落ち込んでしまう人もいます。このような感じ方の違いは認知の違いから生まれます。

この例は異なる人の認知の違いですが、同じ人がつらくなりやすい認知を適応的認知に変えるスキルを身に着けることができれば、職場のつらい感情がなくなるかもしれません。

しかしながら、自分で認知を変えるのは簡単ではないので、少しでも簡単にするアプローチとして比較的容易なポジティブ・シンキングを利用してみては如何でしょうか。

適応的認知は、客観的な事実や証拠が優先されて、効果が強い。一方、ポジティブ・シンキングは、主観的で自分の都合が優先され、効果は一時的です。

この組み合わせとして、先につらい感情をポジティブ・シンキングで適応的認知候補に変え、その後に、客観的な事実や証拠を探って適応的な認知候補を適応的な認知にする。客観的な事実や証拠が見つからなければポジティブ・シンキングから繰り返す。

こうやって、職場のつらい感情が少しでもなくなると良いですね。

株式会社ストレスマネジメント実践研究所 北尾一郎(PMP、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、心理相談員)
<うつ病のない日本の職場を目指して、「社員がいきいき活躍し成長する職場」の実現を全力で支援いたします>

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