厚生労働大臣が定めた「事業場における労働者の健康保持増進のための指針(THP指針)」に掲げる心理相談専門研修を受講しました。

職場メンタルヘルス不調の未然防止の当事者は事業部ですが、それを支援する産業保健スタッフの心理相談員に求められることは何か。企業の心理相談活動の実態はどうなのか。特に事業部(相談者や上司)とのかかわりどうなのか。を知りたかった。企業の事例を基にした事例検討など、現場の話が盛りだくさんの内容に満足しました。

気になった事例がありましたので、イメージできるように言葉を足して紹介します。

ある部門にストレッサー管理職がいて、その部下の数名が高ストレス症状で健康管理室へ相談にきている。

健康管理グループがそのストレッサー管理職に話をしても意に返さず。「メンバーの数名が疲れているのは知っている。それでもプロジェクトの成功を目指してみんな頑張っている。プロジェクトが完了するまであと3か月突っ走る」

そこで、健康管理グループはストレッサー管理職の上司に託しました。「このままでは、みんな疲弊して誰かがメンタルヘルス不調者(うつ病)になるかもしれません。なんとかしてください」

確かに、健康管理グループが支援できることはここまでだと思います。

それでは、この問題を解決する当事者になった(自覚した)ストレッサー管理職の上司は、どのような指導をするのでしょうか。

半年前のメンタルヘルスのライン教育(管理職教育)資料にはこの問題の答えはなかった。どうしたらいいのだろうか。

あなたが上司だったらストレッサー管理職にどのような指導をしますか。

・プロジェクトを遅らせていいから部下の健康を守るように指示する。
・プロジェクトの遅延は許さない。部下のストレス耐性に期待する。
・必殺丸投げで、ストレッサー管理職にプロジェクトの遅れは許さない。同時に部下の健康も守るようにしろ。と指示する。
・それとも。。。

株式会社ストレスマネジメント実践研究所 北尾一郎 <うつ病のない日本の職場を目指して、プロジェクトのストレスマネジメントによるメンタルヘルス不調の未然防止に貢献します>