家族システム論を読んでプロジェクト・チームマネジメントに通じるところがあるな。と思いました。

家族システムでは、家庭という境界内に夫、妻、子どもが互いに影響を及ぼしながら生活している。そして個人総和以上の子育て機能や精神安定機能などをつくり出している。

また、家族システム論は問題の原因を個人に帰属させない。例えば、子どもが摂食障害になったときに、すぐに「父親が厳しすぎたからではないか」「母親が過保護だったからではないか」などと個人の原因
追求はせず、「家族の問題は皆が互いに影響力を及ぼし合った結果ですから、いわば家族内人間関係全体が原因です」とするのである。(出展:産業カウンセラー養成講座テキスト)

そのままの家族システム論をプロジェクトの現場に応用できませんが、大切な着眼点を提供してくれているように思います。

設計ミス、設計遅延などの問題が発生した時、

プロジェクトチームのメンバーはひとり一人に役割があり、その役割に伴う業務を責任持って担当しているプロなので、問題が発生した時には当事者の問題を追及されないということはありません。

一方、プロジェクトチームは当事者の問題追及とは別に、なぜなぜ分析をして該当問題の根本原因を見つけて、しくみの改善など組織としての対策をします。

足りていないのは、プロジェクトチームの人間関係全体(互いの影響)が原因ではなかったか。という着眼点で根本原因を探り、対策することではないでしょうか。

その対策を
PMBOK(A Guide to the Project Management Body of Knowledge)で言うところのプロジェクト・コミュニケーションマネジメント、プロジェクト・ステークホルダマネジメント、プロジェクト・人的資源マネジメントの「ツールと技法」に盛り込み各組織で標準化することが職場環境改善だと思っています。

株式会社ストレスマネジメント実践研究所 北尾一郎
<うつ病のない日本の職場を目指して、プロジェクトの職場環境改善に貢献します>