強い不安、悩み、ストレスがある労働者は52.3%(出展:2013年厚生労働省)ですが、全員がメンタルヘルス不調になっているわけではありません。

それは、意識的、無意識を問わず、強い不安、悩み、ストレスに対する対処行動により心身の健康を取り戻しているからです。

その対処行動には、問題焦点コーピング、情動焦点コーピング、ストレス耐性強化があります。

問題焦点コーピングは、ストレッサーそのものに働きかけて、ストレッサー自体を変化させて解決を図ろうとする対処行動です。わかりやすい例では、パワハラ上司の降格やプロジェクトの過重労働改善、本人の実力不足をスキルアップなどで解決することです。

情動焦点コーピングは、ストレッサーそのものに働きかけるのではなく、本人の考え方や感じ方を変えようとする対処行動です。例えば、認知行動療法のメリット・デメリット法を使って客観的な思考を取入れるなどです。

ストレス耐性強化も効果があります。労働者のストレス耐性に甘えて問題焦点コーピングが不十分な職場環境は問題ですが、職場環境改善と平行してストレス耐性の強化に取組むセルフケアは重要だと思います。

ストレス耐性強化として、自己肯定感や自己効力感を高めることがよく言われていますが、簡単にできるものならみんな既にやっていて、専門家の支援なしでは難しい事だと思います。

比較的簡単なストレス耐性強化は、没頭です。没頭している時間は強い不安、悩み、ストレスを断ち切っています。没頭できるのであれば、スポーツでも、プラモデル作りでも、なんでもOKです。没頭という人間が持った防衛機能を活用しましょう。

もっと手軽なストレス耐性強化は、寝る前30分のリラックスタイムです。私がお勧めするのは、(アロマテラピー+ストレッチ+音楽)の合わせ技です。

皆さんひとり一人に合った没頭とリラックスの時間を確保して、ストレス時間を断ち切ってください。

株式会社ストレスマネジメント実践研究所 北尾一郎
<うつ病のない日本の職場を目指して、プロジェクトの職場環境改善に貢献します>